平成31年1月、まだ寒さが漂う滋賀県琵琶湖。

琵琶湖沿岸の豪華客船にも似たホテルでその会は開かれた。

滋賀県病院協会の院長・事務長合同研修会に登壇した。

この勉強会は、毎年開催され、職場内で起こり得る可能性があるハラスメントや人権に関連した諸問題に焦点を当て勉強することを目的している。

怒りの感情は、高いところから低いところへ流れる性質がある。

職場内では、力の強い人から力の弱い人へ、立場が上の人から下の人へ、先輩から後輩へと流れる傾向にあるのだ。

情動は、空気でも伝わる。

これを読んでいるあなたも既に実感しているのではないだろうか。

職場内での嫌がらせ(ハラスメント)は、怒りが原因で起こることがある。

嫌がらせを受けた側(正確に言うと、嫌がらせであると認識した側)は、気持ちの落ち込みだけではなく、怒りの感情を持つことがある。

怒りはコントロールできないと思われがちであるが、実はコントロールできるのだ。

なぜなら、職場での近しい人への怒りを上手に制御できなかった私が、イライラをコントロールできるようになったのだ。

店舗で薬剤師として働いている時、自問していることがある。

例えば・・・

職場の空気は、重くはないか?

職員が発言しやすい空気は出せているか?

伝えるべき仕事の価値観は、今日も伝えれているか?

部下が硬直してパフォーマンスは低下していないだろうか?

今日が人生最後の日だとすれば、私の仕事への姿勢に後悔はないか?

こんなことを思いながら、柔らかい表情を意識している。

院長や事務長というポジションパワーのある人がアンガーマネジメントを習得すると、職場の雰囲気が変わる。

滋賀県内すべての57病院が参加するこの会で、ハラスメントと怒りについて話せたことを嬉しく思う。

勉強熱心な人が病院のトップにいる滋賀県の医療は、きっとあたたかいものであると容易に想像できる。

私を滋賀県に呼んでくれたS事務長に感謝しなければならない。

話してみるとS事務長の奥様は、鹿児島出身とのこと。ご縁を感じる。

実は、20年ぶりに滋賀県に行った。

弟が、大学時代を過ごした滋賀県に来て、懐かしい思いになった。

帰りの車内で弟に連絡をする自分がいた。